こんにちは、「ムビナビ 映画紹介」の中の人です。
今回紹介するのは、不朽の名作『レオン』。
殺し屋と少女という、普通なら交わらないふたりが出会い、
少しずつ、でも確かに変わっていく時間。
言葉少なに、ぶっきらぼうで、不器用で…
でもその中に、“誰かとつながること”の意味が、ちゃんとあった気がしました。
この作品は、アクション映画というよりも、
「孤独に触れた人の心に、そっと残るやさしさの物語」だと私は思っています。
この記事では、映画『レオン』の余韻を、私自身の感情とともに丁寧に振り返っていきます。
第1章|『レオン』あらすじ|孤独な殺し屋と少女の、名前のない物語
ニューヨークの片隅で、静かに暮らす殺し屋・レオン。
彼はルールに忠実で、感情を殺し、植物と共に生きるような日々を過ごしていた。
ある日、隣人の少女・マチルダと出会う。
家族を失い、行き場をなくした彼女は、レオンの部屋に逃げ込む。
最初は戸惑うレオンだったが、少しずつマチルダの存在が、
自分の中の“何か”を揺らしていくことに気づいていく。
マチルダは言う。「復讐を教えて」
レオンはそれを拒みながらも、彼女のまっすぐな眼差しに心を動かされていく。
家族でも、恋人でもない。
でも確かに、ふたりの間には“絆”が生まれていた。
名前のない関係、でも、誰よりも深くつながっていたふたりの物語が、
静かに、そして激しく、動き出していく――。
第2章|マチルダの目に映った“レオンという人間”
レオンは、冷酷な殺し屋――のはずだった。
でも、マチルダの目に映ったのは、
牛乳を毎日飲み、植物に水をやり、枕を抱えて眠る、ひとりの“さびしい大人”だった。
マチルダはその静かな暮らしの中に、
家では得られなかった「安心」を見つけていたのかもしれない。
そして彼女は、レオンが本当はとても人間らしいことに気づいていく。
レオンもまた、マチルダの存在に戸惑いながら、
自分の中に残っていた「やさしさ」を、少しずつ取り戻していく。
彼女の笑顔に照れたり、危険から守ろうとしたり。
“殺し”だけでできていた毎日に、初めて「誰かのために生きる」時間が生まれていった。
マチルダの眼差しは、レオンの「孤独の輪郭」をはっきりさせた。
だからこそ、ふたりは似ていたのかもしれない。
居場所がなくて、誰にもちゃんと愛されたことがなくて、
でも、本当はただ“つながり”を求めていた。
その“心の距離の縮まり方”が、とても静かで、とても切なかった。
第3章|心を開くことの怖さと、やさしさがにじんだ時間
マチルダは、レオンに「愛してる」と言った。
それが本当の愛だったのか、家族を失った悲しみの代替だったのか。
それは観る人によって、きっと答えが違う。
でも――
その言葉に、レオンはすぐには応えられなかった。
ずっとひとりで生きてきた人にとって、「誰かと心を通わせる」ことは、
希望でもあり、同時に“こわいこと”でもあったのだと思う。
レオンはマチルダを守ろうとする。
彼女を巻き込まないように、距離をとろうとする。
でもマチルダは「守られるだけの存在」でいたくなかった。
彼の世界の中で、“ちゃんと一緒に生きたい”と願っていた。
このすれ違いが、ふたりの関係を一層リアルにしていたと思う。
“愛してる”の一言に返せなくても、
レオンの行動のひとつひとつに、
マチルダへの“守りたい”という感情がにじみ出ていた。
言葉じゃなくて、背中で語る。
大切にしたいという想いが、静かに伝わってくる関係。
それは、恋とはまた違うけれど、
たしかに「愛」と呼んでもいいような、
ふたりだけの、やさしい時間だった。
第4章|静かで激しい、あのラストが胸に残る理由
ラストシーンのレオンは、無言でマチルダを逃がし、
自分は、ひとり敵の前に立つ。
その表情にあるのは、怒りでも復讐でもなく、
ただ、“誰かのために生きた”という覚悟と、
「これでよかった」と思える静かな決意だった。
レオンは、初めて“誰かの未来のために”自分の命を使った。
それはきっと、彼にとっての「生まれ変わり」だったのだと思う。
一方のマチルダは、生まれて初めて「守られた」。
そして、ちゃんと「大地に根を張る」ことを、彼から教わった。
レオンが大切にしていた観葉植物を、
土に植えるその姿に、私は泣きそうになった。
それは、“生き続ける”という意思表示だった。
この映画のラストは、とても静かで、とても重たい。
アクション映画なのに、心に残るのは“爆発音”ではなく、
ふたりが交わした、少ない言葉と、深い想いだった。
あのラストが胸に残るのは、
「愛してる」と言わなかったふたりが、
最後の最後で“確かにつながっていた”と伝えてくれたからだ。
第5章|『レオン』が私たちに問いかけてくる“つながる”ということ
誰かとつながるって、ほんとうはすごく怖いこと。
自分の弱さを見せなきゃいけないし、
いつか失うかもしれない不安も抱えることになる。
でも、レオンとマチルダはそれでも“つながる”ことを選んだ。
お互いの孤独を、まるごと受け入れるように。
言葉では足りなくて、だからこそ行動で伝えようとした。
この映画が教えてくれたのは、
「人は変われる」ということじゃない。
“誰かの存在が、自分の中の何かを確かに変えていく”。
その変化を、レオンはマチルダのそばで、静かに受け入れていった。
人はひとりでも生きられるけど、
「誰かのために生きたい」と思えたとき、
ようやく“自分の生き方”が見えてくるのかもしれない。
『レオン』は、そうやって“つながり”の意味を問いかけてくる。
殺し屋と少女、という設定なのに、
こんなにも静かで、やさしい映画だったことが、
今でも少し不思議で、そして、とても好きだ。
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